2013-01-01から1年間の記事一覧

怒りについて

(以下の文章は筆者が当時20歳、2006年11月30日に投稿された日記を一部編集した記事です) 昨日、告白すると、私はある人々に対して、大変な怒りを覚えた。 立場の違いや、その場の雰囲気や、 もはや自分自身の理性までもをもないがしろにして、 その怒りを…

 ―必然的に死ぬために、あるいはそれでも哲学するために―(3)

自殺した彼と僕はそれほど親しかったわけではない。 葬儀には出席したけれど、個人的に深い哀悼の意はなかった。 それは祖父の時とあまり変わらない。 彼がなぜ自ら命を絶ったのか、どんな事情があったのか、 それは僕の興味をあまり引かなかった。 (家庭の…

―必然的に死ぬために、あるいはそれでも哲学するために―(2)

そうは言っても、段々と騒ぎが大きくなると、 こちらものべつそわそわしてくる。 退屈な授業を妨害してくれる愉しい暇つぶしの種が出来たから、 もう居ても立ってもいられない。 みんな、それが今一番の関心事になってしまっている。 堪えきれずトイレを言い…

―必然的に死ぬために、あるいはそれでも哲学するために―(1)

(以下の文章は2007年2月23日未明に書いたものです) 哀しい。 まさしく「索漠とした」という言葉を使いたくなる気分だ… 日記を拝見に巡回していたら、 奇遇なことに(いや、この言葉は不適切かもしれない、 なぜなら「奇遇」という言葉は本来は、何かかしら…

【書評】『決められない患者たち』

決められない患者たち作者: Jerome Groopman MD,Pamela Hartzband MD,堀内志奈出版社/メーカー: 医学書院発売日: 2013/04/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る GW中は最終日以外毎日飲んでましたが、積読もすこしは消化しました。 たまには書評な…

優しい止まり木

一昨日訪れたbarのカウンターで、隣で酔いつぶれて寝てしまった中年男性がいました。 オーセンティックなbarでそんな失態をやらかすのは無粋の極みですし、僕はどうしても好きになれません。例えどんな事情があるにせよ、マナーというものは守るべきだと思い…

アマチュア主義者宣言。と、父をめぐる回想と決意

(以下の文章は約5年前、21歳の誕生日に書いたものです) 誕生日なのにのっけから重苦しい話ですが… 21にもなって、何か方向性らしきものが掴めた気が全くしません。 これは生活態度はさておき、最近の読書傾向に顕著かと思う次第。 専門分野とは違う、文学…

言語の終焉 -平凡な事実としての死を乗り越えるために-

(以下の文章は、5年前に大学のとある授業レポートとして提出したものです) 世界とは、起きていることすべてである。 世界は事実の全体であり、ものの全体ではない。 起きていること、すなわち事実とは諸事態の成立である。 L.ウィトゲンシュタイン『論理…