2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

地域医療学事始 −北海道の地域医療と、旭川医科大学の地域医療教育への提言−

序 「北海道の地域医療は崩壊している」という議論が以前にも増してかまびすしい。しかもその議論は、往々にして「地域医療のために北海道に残る医師を育成せよ」という主張と結びついている。単純に地域医療に従事する医師を増やせば、問題は解決するであろ…

disablingからenablingへ −「企て、画す」という営みについて−

(以下の記事は2008年11月10日の日記を編集したもの) 最近どうしてもしばし批判的になってしまうのですが、 企画者としても、参加者(学内学外での様々なイベントだけでなく、 お祭や行事、企業セミナーやインターンなども含め)としても、 「わかりやすか…

自背録(6) ―雑駁、雨、祇園祭―

夕方からの、折からの激しい雨。 5限の授業を欠席して、大阪から京都に戻り、 皮膚科での診察を終えると、 重苦しい曇天はいつのまにやら既に臨界点を突破していたようだ。 この時ほど、自転車という乗り物がこの上なく不便になるときはない。 でも、しょう…

自背録(5)−「人々」のずるさ−

「人々」は残酷である、 しかし「人」は優しい。 (『迷える小鳥』ラビンドラナート・タゴール) タゴールは、なぜ「『人』は優しい」を、 逆接の後ろに置いたのだろうか。 そこに、何故か私は引っ掛かってしまうのである。 残酷な「人々」の前では、たとえ優…

自背録(4)−Holiday Junky−

みなさん、今晩は。 雨は中々降り止みませんが、過ごし易い日々が続いてますね。 この雨の谷間の奇跡的な週末が、模試なんかなければ、受験なんかなければ 昼下がりに鴨川の川べりで通俗小説を枕にしたり、 京都御所で腕白小僧とサッカーやキャッチボールの…

自背録(3) ー「ダメ人間」の条件ー

政治哲学者ハンナ・アーレントによれば、 「人間の条件」の基本的要素となる活動力は以下の三つのカテゴリーに分けられるという。 1. 労働(labor):人間の肉体の生物学的過程に対応する活動力 2.仕事(work):人間存在の非自然性に対応する活動力。 生命を…

自背録(2) ―教わる者の傲慢、教える者の傲慢ー

某大学での会話。 または、某電車内でのお喋り。 あるいは、某SNS上でのコメント、ツィート。 もしくは、 … 「私が教えている中学の子は、何を言っても物分りが悪い。 九九さえまともにこなさせないのよ…これだから底辺校の子は。。」 「あの教え子は、同じ…

自背録(1)−恥について−

恥。 大いに恥じた経験は、後になって思い返してみると、 それほど大した後悔の念を催さない。 むしろ、その記憶は若干の苦笑が伴うことがしばしばだ。 それはつまり、我々が何らかの形で自分がかいた恥を 肯定的にとらえたい、という思いなしがあることに他…

失われた6年間を求めて

こんばんは。 一週間に一度以上はブログ更新したいと思っていたのに、 日常に追われていると決意も鈍ります… 6年前に初めて大学生になったときは、毎日のようにくだらない雑文を書いていたのですが、妙にここ最近は長い独白は億劫になりました。 世間並みの…